文明の生態史観

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    評価:
    梅棹 忠夫
    中央公論社
    ¥ 802
    (1998-01-18)
    Amazonランキング: 125011位

    この本はもっとくだけた装丁にすれば、もっと若い人にも読んでもらえるような気がする。
    旅行記というか、なんというか。兎に角、著者がインドを訪れるくだりが面白い。インドでは、洗濯物を干すのに物干し竿にかけたりしないんだと。サリーは、ふたりの男がその両端を手で持って、日の当たるところに立つそう。また、道路の修理工は道具も持たずに、レンガの一つ一つを手で地面に打ちつけるんだと。びっくりなんですけど。中国、インドが世界の中心になると言われて久しいけど、その国全体の生産力が向上しない限り、特に内陸の非工業地帯においては、貧困から抜け出すことさえ決定的に難しいことのように思える。

    また、インドやパキスタン、カザフスタンなど、西洋と東洋の間にある地域を「中洋」と表現してたのは新鮮だった。なんでも東西で考える癖がついてたことに気づいた。自分が世界の中心にいて、西と東の間にはよく分からない何かが広がっているような思い違いをしてた。そこには、同じ物差しでは測れない異なる世界がある。

    他にも、教育の普及が人間の欲望と能力を開発した、とか、世界を牛耳る華僑がインドにはいない(=インドには中華料理屋が少ない)とか、うまくまとめられないが、へー!と思うところ多く目から鱗が何枚も落ちた。

     

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